ずっと友達でいてね
15+Closed Captions
202237分

彼女と別れて1年後の夏。ミステリー作家“M”(阿部寛)は、友人・大関の葬儀に参列していた。知り合った当時、彼はまだ下っ端のADで、非常階段に寝袋を敷いて生活をしていた。「10年後、俺たちどうなってるかな」とよく口にしていた彼はプロデューサーになっていた。 エッセイの単行本化に向け準備を進めていたMだったが、ここへきて澤田が出版社を辞めると言い出す。エッセイはどうするのかと心配するMに、澤田はエリート系現代っ子の後任・若林を紹介した。今まで関わりの無かったタイプの人間を前にして、戸惑いを隠せないM。 若林とデザイナー達に囲まれて打ち合わせをしていたMは、いつもと違う空気に馴染めず、外の喫煙所でタバコを吸っていた。おーい、とMを呼ぶ声がする。振り返ると、非常階段に寝袋が敷かれていた。ファスナーが開きひょっこり顔を出したのは、若かりし日の大関だった。


ずっと友達でいてね

彼女と別れて1年後の夏。連載エッセイの単行本化が決まり、忙しない日々を送っていたミステリー作家 “M”(阿部寛)。原稿を一つ書き終えたMは喪服に着替えた。友人・大関が亡くなったのだ。一週間前Mが見舞いに行ったとき、彼は管だらけの体を起こしなんとか話が出来た。だがその翌日病状が急変し、Mは彼と口を聞いた最後の人になった。


葬式の帰り際に “Bar灯台”へ立ち寄ると、常連仲間たちが何やら盛り上がっていた。今まで独り身だった西が結婚すると言うのだ。谷も退職を期に家業を継ぎ、乾は母親の看病で実家に帰るという。ミトは韓国留学へ行っていた。これから彼らと会う機会も減ると思うと、Mは何処か寂しさを感じるのだった。


それから数日後、突然澤田が出版社を辞めると言い出す。Mの本が売れるきっかけとなったTikTokerのマネージャーになるのだと言う。エッセイはどうするのかと心配するMに、澤田は後任の若林を紹介した。


古本屋で資料を探していたMは、カオルから「店が大変な事になっている」と連絡を受ける。駆けつけると、水道管が壊れ店内が水浸しになっていた。フクオは泉と二人で遊びに出掛けており、一人取り残されたカオルは、もう店を畳んでしまおうかと弱音を吐く。周りがどんどん変わっていく中で取り残された者同士の2人は、柄にもなく「ずっと友達でいよう」と約束をするのだった。


Mのエッセイはこう締めくくられる。「エッセイに綴った彼らとの思い出は、忘れてしまいそうな出来事ばかりだった。書いておいてよかった。そのうち僕らは、すべて忘れてしまうから。」

時間:37分
公開年:2022
ジャンル:
年齢制限:15+
キャスト:阿部寛Chara尾野真千子宮藤官九郎酒井美紀大島優子