ドロテオ・アランゴの人生を描いた作品で、無法者からメキシコ革命で皆が恐れる司令官、パンチョ・ビリャになるまでの物語である。 そこには自身の信念に突き動かされる一人の男の姿があり、己を超える為の挑戦がスペイン史を形作ると同時に、強大な敵をも生み出していく。
この伝記作品は、ドロテオ・アランゴこと“パンチョ・ビリャ”の生涯を描いたものである。盗賊として世に出、待ち伏せに遭い天寿を全うする最後の瞬間まで、信念に翻弄されつつも、より強大になろうともがく男の姿が明らかにされる。
歴史家によりハリウッドへと紹介された彼の姿は、女たらしでありながら冷血な殺し屋、またアメリカやスペインの革命家へ反旗を翻さんとするロビンフッドのようなキャラクターを撮影したい現地の人に受け入れられる。
しかしそこは、メキシコ革命に命を懸けた男。盗賊として生き長らえた過去から、北のケンタウロスと恐れられるパンチョ・ビリャへ、そして贖罪の為に戦いを続けるアンチヒーローとして暗い面をも描かれる。矛盾の中に見え隠れする人間以上のもの、もはや神秘性をはらんだパンチョ・ビリャは憎しみや蔑みに加え、尊厳さえも生み出す。
この作品には激しい光の点滅を伴うシーンが含まれています。光に敏感な方はご注意ください。